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決算一巡してきた

2025年05月14日(水)

ちょっと信じられない株価の戻りで、買い損ねた、方々が多いのではないだろうか。

3月決算企業の業績動向を見ると、前期はよかったが、今期の予想は減益予想が多くて、投資するには躊躇するのではないだろうか。

なのに株価だけはどんどん上がっていく、何かおかしいと思ってみてるだけ、という方がほとんどではないか。

市場関係者が強気になってきたことは、そろそろ天井が近いとみるべきだろう。

騰落レシオが130%超、日経平均株価採用銘柄のPERは前期と今期が同じになってきているにも関わらず、PERは16倍に乗せてきた。

もう限界と思わせる事象が目の前にある。

なのにどうして株価は上がるのか?

ひとつは、単にトレーディングで指数を売ったり買ったりしているファンドの連中は、ヘッドラインニュースで売買するので、いまはリスクオントレードということだろう。

次に、企業の業績予想が保守的すぎる、ということも言えるのではないか。

トヨタなんかの業績予想を見ると、先行き不透明だから、精緻な計算しても仕方ないので、とりあえず、前期から1兆円くらい下方で出しとくか・・・みたいな雑な感じがぬぐえないが、これ以上下はないだろう的な予想になっている。

時間の経過とともに、少しずつ上方修正されていくなら、この水準でも割高ではないはず、との考えもあってよいだろう。

ここで大事なのは、株価はまだ天井ではないかもしれないが、八合目か九合目くらいまでは来ていると考えるべきだろう。

投資家として、保守的な動きをすることが、大事な局面となってきたといえる。

企業業績が上振れしてくるまでは、少し様子見を決め込んだほうがよさそうだ。

それでも、株を売買したい方々は、トランプ関税や為替などに振り回されない銘柄群で動きが軽いところでトレードするしかなさそうだ。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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