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油断大敵

2025年05月01日(木)

本日から名実ともに5月相場入りとなる。

4月月初のトランプショックからほぼ1カ月が過ぎた。

トランプ関税も緩和の兆しが見えてきて、最悪の事態は避けられるのではないかとの思いが市場にあって、株価指数はじわじわと戻しつつある。

その一方で、ハードデータは、景気後退を物語るものが出てきている。

中国は12月期決算が2期連続の減益となり、米国では第一四半期のGDPがマイナスとなった。

昨日の米国市場は、GDPのマイナスを受けて大幅下落で始まったものの、朝起きてみると戻している。

景気減速懸念がFRBの利下げを後押しするとの見方があるのかもしれないが、実体経済は間違いなく弱含んでいるにちがいない。

しばらくは利下げ期待で株価も維持できるかもしれないが、GDPが2四半期連続で減速していると、次は企業業績が弱含んでくる。

おそらく第2四半期の開示で出てくるのではないだろうか。

時期でいえば、7月中旬から後半にかけてとなる。

トランプ関税の猶予の90日が終わるころに重なってくる。

となると、この戻り相場を喜んでいる場合ではなく、Sell in Mayとなってくるのではないか。

Sell in Mayは毎年恒例だが、今年はアノマリーだけではなく、実体経済、企業収益が弱くなってくると昨年8月の大きな調整が目に浮かんでくることになる。

今月は相場が堅調でも浮かれることなく、利確中心に考えたほうが良いだろう。

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プロフィール

西堀敬(にしぼりたかし)

西堀敬(にしぼりたかし)

IPOジャパン編集長
(株)日本ビジネスイノベーション代表取締役
日本テクニカルアナリスト協会検定会員

1960年滋賀県生まれ。大阪市立大学商学部卒。和光証券(現、みずほ証券)の国際部、ウェザーニューズ財務部長、米国系Eコマース会社の日本法人 CFO&COO、IRコンサルティング会社取締役を経て、2011年より現職。上場会社の社外取締役を複数兼務する。
また、2002年より東京IPO編集長、2015年12月よりIPO No.1サイト『IPO Japan』を監修、編集長に就任。TV出演や経済誌への執筆、セミナーや講演会などIPOの第一人者として市場の啓蒙・発展に尽力している。

著書に『改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)、『IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンククリエイティブ)。


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